【初心者必見】解決!! 自転車 動画で解説!! クランクの外し方 コッタレスクランク専用工具の使い方 !!

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こんにちは、だいごろうです。

このコーナーでは普段、皆様が自転車に乗っていて疑問に思うことや、知りたいこと、お悩みなどについて、僕の知っている知識と経験を利用していただくことで解決のヒントになりそうな内容をまとめてみました。

第5段は『【初心者必見】解決!! 自転車 動画で解説!! クランクの外し方 コッタレスクランク専用工具の使い方 !!』です。

目次

初心者でも安心!!『安全かつ失敗しない確実な作業のために』

四角軸タイプのクランク(スクエアテーパー)、オクタリンク、ISISタイプのクランクの取り外し作業に関しては、一般の方からのお問い合わせも多く、時には失敗したというお声を耳にすることもあります。

専用工具を使用しての作業ですので見様見真似(みようみまね)で作業を行うとミスをしてしまう場合もあるようです。

そこで今回は初心者の方でも失敗せずに確実にクランクを取り外せるようにポイントをしっかりと押さえ、詳しく解説をしながら実際に作業を行う動画とマニュアルを作製してみました。

この記事と記事内の動画をご覧いただければ、初心者メカニックの方でも安全かつ確実に作業を行っていただけるようになっているかと思います。

動画内では作業の方法だけでなく、仕組みの解説も行っておりますので、きちんと内容をご理解いただきながら作業の手順を覚えていただけるかと思います。

また、応用としてシマノのオクタリンクタイプやISISタイプのクランクにも言及しておりますので合わせてご活用ください。

『マニュアル版!! 初心者でもできる!!コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方』

まずはマニュアル版として動画内でもご紹介している内容を画像と文章でご説明いたします。

動画が再生できない状況下の場合やじっくりと内容をご確認したい場合はこちらの画像と文章をご参照ください。

『必要な工具』

まず作業に必要となる工具です。3つの工具が必要となります。

一つ目はコッタレスクランク抜き工具。コッタレスクランクリムーバーと呼ばれたりしています。クランクを取り外すための専用工具です。

さまざまなメーカーから発売されていますが、動画内ではメジャー(定番)なシマノのTL-FC10という工具を使用しています。

シマノからは他にもコッタレスクランク抜き工具としてTL-FC11という工具も発売されていますが、違いはTL-FC11の方はオクタリンクタイプのクランクの取り外しにも対応しております。

ではTL-FC10の方はオクタリンクに対応できないのかと言いますと、これは別売のTL-FC15という工具と組み合わせてご使用いただくことでオクタリンクにも対応できます。

次に必要となる工具は、8mmの六角レンチ(アーレンキー)です。これはクランクボルトの取り外しに使います。

最後に必要となるのがモンキーレンチ。この3点で作業ができるようになります。

あと、できればグローブもしくは軍手でも構いませんので手に着用しておくことをおすすめいたします。

ギア回りを作業しますので、どうしても、手が滑ってしまったり、思わぬ時にギアに触れてしまったりして、手を怪我してしまう場合もあります。ですので安全のためにグローブを着用しておくことがおすすめです。

『作業前の準備』

それでは作業を開始するのですが、その前に、まず前準備としてペダルを取り外します。

ペダルが付いていると、作業する際に邪魔となります。また、BBを交換なりしたときにBBの回転具合を確かめたりいたしますが、クランクにペダルが付いていると、ペダルの重さが影響しBB自体の回転具合が解りにくくなります

ペダルにも当然慣性の法則が働きますので正確な回転具合がわかりにくいとなります。

また、クランクを取り外してしまってから、ペダルを取り外すというのは非常に作業がやりにくい状況となりますので、先に外しておいた方が無難です。

『クランク取り外し作業 ステップ 1』

まずは変速をチェーンが一番緩くなる状態に変速します。

この理由はクランク外す際にチェーンにテンションが掛かっていますと、チェーンが引っかかって作業がやりにくくなるからです。ですので一番チェーンが緩い状態にしておきます。

『クランク取り外し作業 ステップ 2』

クランクボルト(フィキシングボルト)を外します。8mmのアーレンキーで反時計回りに回して緩めます。

クランクボルトの取り外しが完了しましたら、ワッシャーの有無を確認いたします。もしワッシャーが入っているタイプでしたらそのワッシャーは絶対に取り外してください。

もしもワッシャーがクランクに付いたままで作業を行うと工具の取り付けが正しく行えずクランクを破損してしまう原因となります。

『クランク取り外し作業 ステップ 3』

いよいよクランク抜き工具の登場です。

この工具の仕組みは、工具のネジ山がクランクのネジ山にフィットして、工具をクランクに固定し、その後、工具の中のシャフトをどんどんせり出させて、BBのシャフトを押すことで、その反力でクランクをシャフトから押し出すという仕組みとなっております。

その際、工具とクランクの接合部分のネジ山に、ものすごい力、圧力が掛かることとなります。

ですのでこの工具のネジ山がいかにしっかりとクランクのネジ山にフィットしているかが重要なポイントとなってきます。

失敗したとおっしゃっている方の原因の多くは、クランクと工具のネジ山部分がきちんとフィットしていない状態で作業を行ってしまい、それが原因でクランク側のネジ山が壊れてしまってクランクが取り外せなくなってしまうという状況です。

もし、ネジ山が壊れてしまうと、もはやクランクが取り外せないという状態です。それでもクランクをどうしても外すとなると、クランク自体を切ったり、クランク自体をドリルでどんどん穴をあけて割ったり、そんな感じで破壊して取り外す以外方法はありません。

ですのでこのネジ山部分の取り扱いが一番のキーポイントとなってきます。

【 安全に作業するための一番のキーポイント 】

では、安全に取り外すためにはどうすればよいのかと言いますと、工具のネジ山上端(面部分)、この面よりも中の押す部分(工具のシャフト)が面の奥(工具の奥)に入っている状態にしてからクランクに工具をとりつける必要があります。

まず工具の中のシャフト部分を回して面よりも奥に来るようにしておきます。もし心配でしたら全開まで緩めておいてもかまいませんので、確実に面よりも奥にシャフトが来るようにしてください。

万が一、シャフトの方が面よりも出っ張っている状態のまま、クランクに工具を取り付けていったときには、先ほどの重要なネジ山がしっかり奥まで締まりきる前に、工具のシャフトがBBのシャフトに先に当たってしまって、ネジ山がきちんと奥まで入らないという状態になります。

(下の画像のような状態ではダメです!!

この状態でクランク取り外そうとするとクランクのネジ山が圧力でもげてしまって壊れてしまいますので、ここは確実な作業が必要です。

それではクランクに工具を取り付けします。工具を手で締めていって、固くなったら、モンキーレンチで締めます、ここは通常のネジの方向です。

で、最後はモンキーレンチでキュッと締める、当然、ねじ切れるほど締める必要はありませんが、しっかりと締まっていないと、圧力がかかった際にネジ山が壊れる原因となりますので、ある程度しっかり締めます。

とくにグレードの低いクランクの場合はクランクのアルミの素材自体が柔らかいのでちゃんと締まっていないと壊れる可能性が高くなりますので、キッチリと締めてください。

また、マウンテンバイク等でクランクをぶつけたことがあるという場合も、ハードにヒットしている場合はクランクの四角軸部分が、若干変形している場合もありますので、その場合はクランクの取り外しが固いという場合があります。

その時には、やはりここの工具とクランクの接合部分のネジ山が重要となりますので確実に締めておく必要があります。

『クランク取り外し作業 ステップ 4』

工具の中のシャフト部分を締めていきます。まず手で止まるところまで工具を回していって固くなったらモンキーレンチで締めます。

この時すでに、この部分を締めることで圧入を外す作業となりますので固いですが、臆せずしっかりと回してクランクを外していきます。

ある程度回したら、クランク自体の圧入が解けておりますので、あとは手でクランクを引っ張るとクランクが外れます。

最後にコッタレス工具をクランクから取り外します。

これで作業完了です。

反対側(左側)も同様に作業できますので同じ手順で行っていただければと思います。

【余談】

『ナット形状のクランクボルトの場合』

クランクボルトには、8mmの六角レンチでないタイプ、ナット形状になっているタイプもあります。

この場合、14mmのボックスレンチ、ソケットレンチで緩めることができますが、じつは工具(TL-FC10)の後ろ側が14mmのボックスレンチとなっておりますので、ここを嵌めてモンキーレンチで外すこともできます。

『オクタリンクタイプのクランクの場合』

今回、実際に使用した工具(TL-FC10)の場合、オクタリンクタイプのクランクとBBにご使用になる場合には、別売のアダプター(TL-FC15)を組み合わせて使用いたします。

その際はアダプター(TL-FC15)がオクタリンクのBBのシャフトの内側の穴に入るようになっておりますので、先にこのアダプターをシャフトに入れてから四角軸タイプと同様に作業を行っていただければ、オクタリンクタイプのクランクを取り外すことが可能です。

『ISISタイプのクランクの場合』

今回のアダプターTL-FC15は、じつは取り付ける向きを反対向きに使用することでISISタイプにも使用することが可能です。

これは正規の方法ではありませんが、実際に作業は可能です。

方法としては、TL-FC10のシャフトを完全に緩めてシャフトを戻し切ってから、アダプターの向きを通常と逆向きにして工具に嵌めます。

その状態のまま工具をクランクに取り付けると、ISISのBBのシャフトにアダプターがきちんとフィットいたします。あとは通常通りの作業手順で外すことが可能となります。

その際はさきほど重要とご説明させていただいていたネジ山がキッチリと奥まで入りきらない場合もありますが、ISISタイプの場合はクランクとBBの勘合部分の圧入がほとんど圧入されていない、とても緩い嵌めあいなのでそれでも問題なく外すことが可能です。

(今までおそらく数百台のISISクランクをこの方法で取り外してきましたが一度も問題は起きておりません、ですが正規の方法ではございませんのであくまでも自己責任にて作業お願いいたします、不具合が発生しても当方では責任は負えません)

『実際に使用した工具のご紹介』

記事と動画内で実際に使用しております工具をご紹介いたします。

まずはコッタレスクランク専用工具『シマノ TL-FC10』です。

by カエレバ

こちらの商品はまさに定番ともいえる一般的なクランク専用工具です。とても古い年代のクランクから最新の製品に至るまで幅広く対応しており、この工具が一つあればコッタレスタイプのクランクにほぼ全てに対応できます。

オクタリンクタイプのクランクの取り外しには下記のアダプターと組み合わせることで対応できます。

『シマノ TL-FC15 クランク抜き工具』

by カエレバ

また、シマノからは工具単品でオクタリンクタイプのクランクに対応したモデルも発売されています。『シマノ TL-FC11』

by カエレバ

次に8mmアーレンキーですが、動画内で使用していた製品は『PEDRO’S(ペドロス)Lハンドルヘキサレンチセット』の中の8mmです。

【 私も超~!! お気に入りのアーレンキーセットです。】

by カエレバ

この工具は自転車専用TOOLやケミカルなど数多くのアイテムを販売している世界的ブランドPEDRO’S(ペドロス)が販売しているアーレンキー(6角レンチ)のセットです。

セット内容は1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、および10mmの9サイズとなっており自転車に使用されるボルトのほぼすべてに対応しております。

そして何よりおススメのポイントは工具自体の長さが長くとても力が掛けやすい絶妙なサイズ配分となっております。

また、工具自体の素材が本当によく考えられていて、固すぎず柔らかすぎず、適度なしなりと強度を兼ね備えており、長時間の作業でも疲れや不安を全く感じない素晴らしい出来となっております。

アーレンキーのメーカーによってはボルトと工具の勘合部分にわずかながら隙間があったりして実際に作業すると不安になる場合もありますが、このペドロスの工具は工具先端のサイズもきっちりと精度が出ておりピッタリとフィットします。不安は一切ありません。

また、付属のホルダーもおススメのポイントです。他社のホルダーは工具の抜き差しが固いものや、ホルダー内で工具の向きを変えようとすると、工具を回転させるのが固くて困難な製品も多いのですが、このペドロスのホルダーはとてもスムースに工具の抜き差し、回転が出来るためストレスを感じません。

実際、作業中にスムースに工具が取り出せないとイライラしたり固くて手が痛かったりして、疲れる原因となりますので、日々の作業においてこのポイントは重要かと思います。

私も長いメカニック人生の中で様々なブランドのアーレンキー(高級な製品から安価な製品まで)試してきましたが、正直、一番のお気に入り、おススメのアーレンキーセットがこちらのペドロスです。

次にモンキーレンチです。

今回の作業に使用したのは、日本が誇る工具メーカー【ロブテックス】の『ハイブリッドモンキレンチ UM36』です。

by カエレバ

エビのトレードマークでご存じの方も多いブランドかと思います。

特筆すべき特徴はこのUM36は一般的なサイズのモンキーレンチと異なり、同様のサイズでも開口部の幅がなんと36mmまで開くことにあります。他社の同サイズ(全長)のモンキーレンチのほとんどが30mm、大きくて32mmまでなのに対し圧倒的に広い36mmとなっております。

ここでピンと来た方はかなりの自転車メカニックかもしれませんね。そう、この36mmというのはオーバーサイズに対応できるサイズなのです。

ネジ式のオーバーサイズのヘッドパーツやBMXのトップキャップ、一部のBBなど36mmを使用しているパーツは意外と多く存在しております。そこで36mmまで開く工具が必要となりますが、こういった工具はとても大きいものが多く取り扱いが大変です。そこでこのロブスターはコンパクトながら大活躍いたします。

また、高精度、軽量なのも魅力です。従来の36mmまで開くモンキーレンチと比べ約60%も軽量(メーカー比)、そして開口部の精度がキッチリと出ており、アゴの造り、ダイヤルの操作性も良好です。さすがはMADE IN JAPAN!!

最後にグローブのご紹介です。『FINISH LINE(フィニッシュライン)メカニックグリップ グローブ』です。

by カエレバ

自転車用のケミカルをメインに販売しているフィニッシュライン、ケミカルのことを知り尽くしたブランドが考えたグローブはラテックスフリーで、グリース、オイル、汚れを密封する触覚強化ポリウレタンコーティングが施されています。

これにより油で滑る心配がなく、自転車特有の小さなパーツの取り扱いも容易に行えます。また耐久性も高く、手の甲部分の伸縮性も高いので手が疲れにくいです。

動画でご覧いただくように、私が使用しておりますグローブは長年の使用でかなり傷んでおりますが、それでもまだ普通に使用できております。とてもコストパフォーマンスの高いおススメの商品です。

『動画で解説!! 初心者でもできる!! コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方』

それでは、より分かりやすくするため実際に作業を行いながら動画でご解説いたします。これ以上ないほど細かく解説しているので少し長い動画ですがご参照ください。

初心者でもできる!! コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方

というわけで今回は『動画で解説!! 初心者でもできる!! コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?

♦ まとめ ♦

工具のネジ山がいかにしっかりとクランクのネジ山にフィットしているかが重要なポイント

②もし、ネジ山が壊れてしまうと、もはやクランクが取り外せないという状態になる

③工具とクランクの接合部分を正しい手順で確実に締めておく必要がある

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