最も効率の良い自転車の分解手順とは!? 分解の順番(作業工程)について

How To~ 自転車 問題解決大全

こんにちは、だいごろうです。

このコーナーでは普段、皆様が自転車に乗っていて疑問に思うことや、知りたいこと、お悩みなどについて、僕の知っている知識と経験を利用していただくことで解決のヒントになりそうな内容をまとめてみました。

第3段は『最も効率の良い自転車の分解手順とは!? 分解の順番(作業工程)について』です。

今回は自転車の最も効率の良い分解手順、分解の順番(作業工程)について考えていきたいと思います。

新しいフレームに部品を乗せ換える際やフルオーバーホールをする際に、自転車の部品をフレームから全て取り外す場合がありますが、一番早く作業ができて尚且つ無駄に力を使わない効率の良い分解手順で行えれば作業がとても楽になります。

自分の中で手順が決まってしまえば、作業の度に順番に迷うこともなく、躊躇なく淡々とこなすことができます。

ショップの方で分解の途中に接客等の別の業務が入ったとしても、順番が決まっていれば、戻った時に、どこまで作業していたか一目見ただけで判断でき、すぐさま続きから作業を再開できます。

特にショップの方でこういった作業が多い方には手順を決めておくメリットは大きいのではないでしょうか?

それでは、20年間プロショップで勤めてきた僕が考えた、一番効率の良い分解の手順を順を追ってご説明いたします。

自転車はロードレーサー、マウンテンバイク、ツーリング車等、なんでも基本的には同じです。

『分解前の下準備』
① 分解前の下準備として、自転車の動作確認を行います。(重要!!)

車両によっては変速やブレーキ、そのほか異音など、もともとの状態に不具合が発生している場合があります。

もともとの組み替える前に不具合を確認していなかった場合、分解し部品を新しいフレームに乗せ換えた後に不具合を発見してしまうと、その不具合が新しく組み立てた時に発生した不具合なのか、もともと不具合があったのか判断できなくなってしまうからです。

特に異音など原因を特定しずらい不具合の場合には、発生しているかいないかを確認しておくことで後々の手間を大幅に省くことが可能になる場合があります。

異音の解決方法の記事はコチラ⇒解決!! 自転車 異音 異音の原因 異音の消し方 カチカチ パキパキ!!

不具合を修復するためにせっかく組付けた部品を再び取り外すのは時間のロス以外の何物でもありません。事前の確認が重要です。

僕は分解前に必ず試乗して動作確認と異音のチェックをしておりました。不具合があった場合には調整で直るものか、直らないものか判断し直らない場合はお客様と相談して部品を新しく取り換えるなどのご提案をしてから分解しておりました。

② 各部品の位置関係(乗車ポジション)を計測します。

ロードレーサーやクロスカントリーの方など、自転車の各部の位置をミリ単位で気になさっている方はたくさんいらっしゃいます。

新しい自転車になったときに以前とは全く異なるポジションになっていたのでは、乗車した際に困惑してしまいます。第一印象が「乗りにくい」になりかねません。ですので各部位置関係をメジャーや定規で測り紙にひかえておきます。

具体的にはBB中心からサドル上面までの高さ、サドルからハンドルバーまでの距離、地面からハンドルバーまでの高さ等です。最低でもサドルの高さぐらいは同じにしておいた方が無難でしょう。

③ どこまで分解が必要なのか考えます。

フルオーバーホールの場合は別ですが、例えばフレームのみを交換する場合にはハンドルバーからレバーやグリップを取り外す必要は無いですし、フロントサスペンションフォークからブレーキキャリパーを外す必要もありません。

極端な話、Vブレーキやワイヤー引きディスクブレーキの場合、ブレーキレバーからワイヤーの太鼓部分を取り外してしまえば、組み立て時も太鼓をもとに戻すだけで済みワイヤーの調整すら省くことができます。

全般的に部品を取り外すということは、必ず取り付ける必要が出てきます。取り付けには調整が必要となり時間がかかります。無駄な時間を費やさないように考えて行動する必要があります。

それでは実際に分解作業に取りかかります。

『実際の分解作業』
① 付属品を外します。

ライトや鍵、キャリア、サイドスタンド、サイクルコンピューター等を取り外します。特にサイクルコンピューターは液晶画面に傷が付きやすいですので最初に取り外し安全な場所に置くようにしましょう。

② 次にペダルを取り外します。

ペダルが付いたままですとクランクの付け外しの作業がやりにくくなってしまいますので、先に取り外します。

by カエレバ

③ 変速の位置を前後共に一番小さいギアの位置に変速します。

こうすることでチェーンの張りが一番緩い状態になり、チェーンを安全に取り外すことができるようになります。変速ワイヤーの張りも緩み外しやすくなります。

④ チェーンを切り外します。

チェーンの種類によってはワンタッチで取り外しができるチェーンコネクターを使用している場合があります。チェーンカッターでチェーンピンを外してしまう前にコネクターの有無を確認しましょう。

コネクターを外す際は下記のクイックチェーンリムーバーを使うと安全に簡単に取り外すことができます。

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グランジ クイックチェーンリムーバー grunge
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チェーンカッターでチェーンを切る場合には、チェーンを繋ぐ時に使用するコネクティングピンの場所ではない、その他のリンク部分を切ります。

一度コネクティングピンで繋いだ部分はチェーンのピン穴が広がっており、再び同じ場所で繋ぐと強度が不足し、走行中のチェーントラブルの原因となります。

また、チェーンには回転方向によって切る部分のリンクの向きがあります。シマノ製チェーンの場合はチェーンの開いている方が進行方向となります。正しい向きにすることにより強度が増します。

by カエレバ

⑤ クランクを取り外します。

クランクのフィキシングボルトやクランク抜き工具を使用してクランクを取り外す際にはかなり強い力で作業する必要がある場合があります。自転車の大部分を既に分解してしまっていた場合には、自転車自体がグラついて安定して強い力をかけれなくなってしまいます。ですので自転車が安定している状態でクランクを取り外します。

最もメジャーな四角軸タイプのクランク(スクエアテーパークランク)の取り外し方法、コッタレスクランク抜き工具の使い方の動画をアップいたしました。よろしければご参照ください。

初心者でもできる!! コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方

また下記の記事には動画だけでなく写真や文章でも解説、動画内で実際に使用していた工具のご説明も行っております。

⇓⇓⇓ クリック ⇓⇓⇓

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 ⇒ 動画で解説!! 初心者でもできる!! コッタレスクランク抜き工具の安全な使い方

シマノ クランク抜き TL-FC11
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⑥ BB(ボトムブラケット)を取り外します。

ボトムブラケットを外す際にはクランクよりも強力な力で外さなければならない場合が多々あります。ですので先ほどと同様に安定のあるうちに取り外します。

シマノ TL-UN74-S カートリッジタイプBB工具
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下記のBirzman工具はBBカップとの接触面積が大きく、工具当たり面を傷つけにくいのでお勧めです。また『EXTENDER』を追加することで工具の全長を延長でき、固く締まったBBを簡単に緩めることができるようになります。

Birzman(バーズマン)スペシャリストレンチ BOTTOM BRACKET WRENCH BB工具
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birzman バーズマン SPECIALIST WRENCH MODULE WRENCH EXTENDER
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⑦ シートポスト、サドルを取り外します。

自転車によってはシートポストの上下が固い場合があります。ですのでこれも自転車の安定しているうちに取り外します。

手順としては、まずポストが軽く上下するか確認します。固い場合はサドルごとできるだけ上に引き上げておきます。簡単にポストが抜ける状態になったら、サドルをポストから取り外します。ここもヤグラのボルトが固く簡単に緩まない場合がありますので自転車にポストがついている状態のほうがヤグラのボルトを緩めやすいからです。

⑧ 前後のディレイラー(変速機)に固定しているワイヤーを取り外します。

その後に前後のディレイラーをフレームから取り外します。

⑨ シフトアウターワイヤーをフレームアウター受けから取り外します。

インナーワイヤーをシフトレバーから10cmぐらいのところでカットします。インナーワイヤーをシフトレバーから抜き取るのは新しい自転車にハンドルやシフトレバーを組付け、新しいインナーワイヤーに交換する時点がベストです。

理由はインナーワイヤーが入っていない状態でシフトレバーを操作してしまった場合、シフターの内部で部品が引っ掛かりインナーワイヤーを通せなくなってしまう場合があるからです。

SHIMANO TL-CT12 ケーブルカッター (品番:Y09898010) (工具) シマノ 純正工具
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⑩ ブレーキシューをブレーキキャリパーから緩めておきます。

フロントフォークを新しく交換しない場合はとくに必要ないかもしれませんが、フレームを交換した場合、リアブレーキのシューの調整位置は以前とは異なります。新しいフレームに取り付ける際にシューが邪魔になって取り付けしづらい場合がありますので、事前にシューを緩めておくことで作業をしやすくできます。

⑪ ブレーキワイヤーを取り外します。

インナーブレーキワイヤーはブレーキレバーから抜き取っても問題ありません。油圧式ディスクブレーキの場合はホースを切ってしまうとエア抜きの必要がでてきますので、必要なければキャリパーとレバーは繋がったままフレームから取り外します。油圧ディスクの場合はキャリパーからピストンが外れてしまうのを防ぐため、パッドスペーサーを挟んでおくことをお勧めいたします。

⑫ ステムの固定を緩めます。

ステムはアヘッドタイプ、クイルタイプのどちらの場合でもフォークのステアリングコラムに固着している場合があります。ハンドルバーが付いた状態でなければ固くて取り外せない場合もありますので、まずはステムの固定を緩めてみて固着していないか確認します。

クイルタイプの場合はボルトを緩めただけではステムは動きません。(内部のウスと呼ばれる部品がきつく固着しているためです)ですのでボルトを4~5回転ぐらい緩めたらボルトに工具を刺したまま真上から工具をプラスチックハンマーで叩きます。こうすることでウスが解放されステムが抜けるようになります。

下記のようなヘキサゴンソケットをボルトに取り付けて上から叩くと作業がやりやすいです。

TONE(トネ)ヘキサゴンソケット 6mm
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次にハンドルバーの取り外しですが、クイルステムの場合でハンドルクランプ部がオープンタイプでない場合にはハンドルバーはステムごと車体ついていた方が取り外しやすい場合があります。

ニットーのハンドルツール等を使用する際にステムが車体についていた方うまく力をかけやすい場合があります。

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⑬ フォークを取り外します。

アヘッドタイプの場合には前輪を先に取り外し、次にフォークを取り外します。

クイルタイプの場合にはヘッドパーツを緩める必要がありますが、この作業の際には前輪が付いている方が作業を行いやすいですので、まずヘッドパーツの締め合わせを緩めてから前輪を取り外し、フォークを取り外します。

SHIMANO(シマノ) スパナセット(ハンガー/ヘッドパーツ/ペダル) TL-FC31 Y13098100
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⑭ 後輪を取り外します。

この段階まで来てやっと後輪を取り外します。ほぼ最後ですね。

⑮ ヘッドパーツを取り外します。

専用工具を用いてヘッドパーツをフレームから取り外します。

by カエレバ

これで自転車の分解作業が完了です。

各部品をさらに細かく分解する方法、また組み立ての手順については後日掲載予定です。

というわけで今回は『最も効率の良い自転車の分解手順とは!? 分解の順番(作業工程)について』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?



♦ まとめ ♦

分解作業前にどこまで分解が必要なのかを考える

②分解の手順が決まっていれば迷うことなく行動できる。

③間違った手順で分解してしまうと、強い力が必要な場面などで作業に支障をきたす場合がある。

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