How To~ 自転車 問題解決大全
こんにちは、だいごろうです。
このコーナーでは普段、皆様が自転車に乗っていて疑問に思うことや、知りたいこと、お悩みなどについて、僕の知っている知識と経験を利用していただくことで解決のヒントになりそうな内容をまとめてみました。
第2段は『ボトムブラケット(BB)の交換 取り付け方法』です。
各タイプごとに作業方法が異なるため数回に渡ってお伝えしていきます。
まず、大前提として、近年一般的に幅広く普及しているねじ込みタイプのBB(フレームにネジ山があり、BBをねじ込むタイプ)の取り付け手順ですが、基本的には、まずは右側(ギア板のある側)を最後まできっちりと締めこむ、次に左側をしっかりと締めこむの順番です。
この順番を間違えてしまうと走行中に緩んできたり、きちんとした取り付けができず危険ですので、このポイントはしっかりと押さえておきましょう。
ボトムブラケット(BB)はネジ部分が万が一緩んでしまうと自転車のフレームにも悪影響が出てしまうため取り付けには確実さが必要です。
さらにボトムブラケットはペダルの回転をギア、チェーンを介して後輪に伝達する為の重要なパーツの一つです。乗っている人間の体重も支えています。
回転性能だけでなく強度、寿命など総合的な性能が求められます。ですので取り付けには確実さと最適な調整も求められます。
それでは各タイプごとに取り付け、取り外しの方法を順番にご説明いたします。
『ボトムブラケット(BB)の交換 取り付け方法(装着)①四角軸 基本知識編』
このタイプは基本的にはフレームにネジ山(雌ネジ)が切ってあり、そこにBB(雄ネジ)をねじ込むことで装着します。
取り付け規格は現代では一般的には2種類存在し、『ISO、JIS、BSC』と呼ばれるタイプと『イタリアン』と呼ばれるタイプがあります。
・『ISO、JIS、BSC』の取り付け。(フレーム幅68mm、73mm、83mm、100mm)の場合。
作業を始める前にまずは取り付けようとしている各パーツが正しいサイズ、規格なのかを確認します。
まずはフレームの確認。フレームのBBの取り付け幅が68mm、73mm、83mm、100mmのいずれに該当しているのかをノギスやメジャーを使って測って確認する。(ロードバイクやママチャリ、リジットマウンテンバイク等は68mmが多い)
リアサスペンション付きのマウンテンバイクは73mmが多く、ダウンヒル等の下り系のマウンテンバイクに83mm、稀に100mmも存在する。
フレームの取り付け幅が確認出来たら、次にクランクの仕様を確認します。各メーカーのクランクの各モデルごとに最適なBBのシャフトの軸長というものがあります。
この軸長を間違えてしまうとギア板の位置が内側過ぎたり、外側過ぎたりして変速がうまくいかなかったり、そもそもクランクがフレームに激突して回らなかったりしてしまいます。
ロードバイクの場合は基本的にはフレーム幅は68mmでクランクもそれに合わせてラインナップされているBBが1種類の場合が多いので悩むことはあまりないかと思いますが、マウンテンバイクやクロスバイクの場合にはフレームによって最適なチェーンラインが2種類存在するため、その確認が必要です。
マウンテンバイクやクロスバイクで、もともとクランクが装着されていた場合、それまでとくに問題なく使用できていたのなら、恐らくそのチェーンラインが正しいといえるでしょう。一応、実際に測って確認します。
・『イタリアン』の取り付け。(フレーム幅70mm)の場合。
イタリアン規格の場合はフレームの幅は70mmしかありませんので、先ほどのISO、JIS、BSCと比べると調べる項目は少ないです。車種も基本的にはロードレーサータイプに限られてきます。
(フレーム幅70mmの場合でも一部の車種にイタリアンではない場合もあります。ママチャリタイプ(一般車)の中にはISO、JIS、BSCのネジで幅70mmも存在します)
ただし、イタリアンに適合するクランクにもギアの枚数が2段仕様の場合と3段仕様の場合があります。3段仕様の場合はチェーンラインが外側に来る設計となりますので2段仕様とはBBの軸長が異なってきます。
クランクの型番に適合した軸長のBBをカタログ等の資料から調べる必要があります。
『チェーンラインの測り方』
車体を裏返し(その方が測りやすい)ダウンチューブの中心またはBBシェルの中心)に印をつけます。
そこからクランクに付いている3枚のギアのうち真ん中のギアの刃先までの距離を測ります。(47.5mmか50mmのどちらなのかを測ります)その差は2.5mmですので正直少し測りにくいです。
もしも分かりにくいときは素直にフレームメーカーに車種の年式、モデル名を伝え問い合わせた方が確実です。
こうしてチェーンラインが47.5mmか50mmかが判明したのちにクランクに適合するシャフトの長さを調べます。各クランクごと最適なシャフトサイズ(長さ)は異なります。
例えばチェーンラインを50mmにするために必要なシャフトサイズが113mmのクランクもあれば、122.5mmでなければチェーンラインが50mmにならないクランクもあります。ここは各クランクのカタログ、もしくはメーカーに問い合わせして確認します。
こうして各パーツのサイズが確定したら次にフレームのネジ山に異常がないか確認します。ネジ山の一部に段差があったり綺麗に切れていないときは修正工具にてネジ山の修理が必要な場合があります。その場合はショップに修正を依頼します。
とくに新品のフレーム売りで販売されている商品はほぼ100%近く、修正が必要(フレームのネジ山の切り方が甘い)ですので購入時に修正してもらうか、ショップに依頼して修正してもらいましょう。
こうして各パーツのサイズの確認、フレームのネジ山に異常がなければ、実際の作業にとりかかります。
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というわけで今回は『ボトムブラケット(BB)の交換 取り付け方法(装着)①四角軸 基本知識編』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?
⇒ ボトムブラケット(BB)の交換 取り付け方法(装着)②四角軸 カートリッジタイプ編