How To~ 自転車 問題解決大全
こんにちは、だいごろうです。
このコーナーでは普段、皆様が自転車に乗っていて疑問に思うことや、知りたいこと、お悩みなどについて、僕の知っている知識と経験を利用していただくことで解決のヒントになりそうな内容をまとめてみました。
第10段は『解決!! 自転車 固着した A-HEAD(アヘッド)フォークを一瞬で取り外す方法!!』です。
A-HEAD(アヘッド)とは?
現代のスポーツ自転車のほぼ全てのモデルに採用されていると言っても過言ではないほどのシェアを誇るヘッドパーツの規格『A-HEAD』(アヘッドと読む)
フレームのヘッドサイズは複数存在しますが、フォークの規格はどれもアヘッドを採用しています。
クラシックなモデルや街乗り用、安価な車種などの一部のモデル以外はほぼ全てアヘッドとなっております。
これほどまでに普及した一番大きな要因はヘッドの玉当たり調整の簡単さにあります。
アヘッドが登場する前のねじ切りタイプのヘッドは調整が困難なことに加え、車種によってはフォークのねじ切り部分のねじ山の追加など取り付け自体も比較的難しい場合がありました。
アヘッドの登場でそうした難しい調整や加工は必要なくなり、一気に利便性が向上しました。
アヘッドについてのより詳しい記事はコチラ↓↓↓
A AheadSet(アヘッド)のヘッドパーツについて考える。自転車のHEAD PARTS。
このようにアヘッドはフォークの取り付けに関してはとても簡単になりましたが、フォークを取り外す際にヘッドパーツとフォークが固着して、なかなか外れないという現象が発生している場合があります。
数多く自転車を触っていらした方にはフォークがなかなか外れないという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそういったなかなか外れないフォークを簡単に一瞬で取り外す方法をご紹介いたします。
この方法は固着してなかなか外れない場合でなくても、普段からこの方法を活用していただくことでヘッドパーツ自体にも優しく簡単に外せることから、普段の作業からぜひご活用いただければと思います。
フォークを取り外す仕組み
アヘッドのヘッドパーツはベアリングの玉当たり調整をトップキャップの締め付け具合で調整しています。
この時ヘッドの緩みの防止と均一にベアリングへのプレッシャーをかけるために必要なクサビ形のかたちをしたパーツ(コンプレッションリング)が存在しております。
コンプレッションリングは一か所に割りが入っているのでどの部品か分かりやすいです。
フォークを取り外す際にはこのクサビ形のパーツ(コンプレッションリング)とベアリング自体を押さえているトップレースと呼ばれるパーツとを分離する必要があるのですが、ここが固着してしまってなかなか外れない状態になっている場合があります。
ここが固着すると固くてなかなか外れないとなってしまいます。
フォークを取り外すには、必ずこの固着を解除する必要があるのですが、固着を簡単に解除する方法が分からずに闇雲にステアリングコラムをハンマーで叩いたりして衝撃を加えて取り外そうとする方が多いと思います。
ステアリングコラムをハンマーで上から叩く行為はベアリング自体にも衝撃を加えるので正直おすすめではありません。
上からガンガン叩くことでフォークを下に抜いているように思うかもしれませんが、この方法でも叩いた衝撃で先ほどのコンプレッションリングとトップレースの固着が解除されるまではフォークは抜けません。
ガンガンガンガン叩くことで固着部分に相当な衝撃が加わって固着が解除されて初めてフォークが抜ける状態になります。 ですがこの方法では何度も何度もベアリングに衝撃を加えているのであまり良い方法とは言えません。
ですので、もっと効率よくコンプレッションリングとトップレースの固着を解除してあげれば簡単にフォークを取り外すことができます。
その方法は、コンプレッションリングのすぐ外側にあるパーツ(すなわちトップレース)に直接衝撃を加えてあげる方法です。
トップレースに直接衝撃を加えると一瞬でクサビ型のパーツとの固着が外れます。
加える衝撃もそんなに大きく加える必要はありません。適度にコンッ!と叩いてあげる程度で固着が解除されます。ですのでベアリング自体に与える衝撃も最小限で済みます。
一瞬で取り外す作業方法
では実際に作業する際にどこをどのようにして衝撃を加えれば良いのかをご説明いたします。
下の画像のようにコンプレッションリング(今回の車種はグレーの部分)のすぐ外側にあるトップレースにマイナスドライバーの先端を当て、マイナスドライバーをハンマーで叩くと一瞬で外れます。
この際に必要な道具はマイナスドライバーとハンマーだけです。
ハンマーでマイナスドライバーを叩くので通常の握る部分が樹脂製のマイナスドライバーでは樹脂部分が破損してしまう可能性がありますので、必ず貫通ドライバーをご準備ください。
貫通ドライバーとはドライバーの握る部分の上から先端までが一本の金属の芯でつながっているドライバーのことで、上からハンマーで叩いても破損せず、先端に衝撃が加えられるようになっております。
刃先のサイズは[-]6.0 (マイナス6)がおススメです。
ベッセル(VESSEL) ノンスリップ貫通ドライバー マイナス6×100 No.B-370 | ||||
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アネックス(ANEX) 貫通ドライバー 木柄 -6×100 No.170 | ||||
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より分かりやすく、作業の方法やコツを動画でも説明しておりますので、よろしければこちらの動画もご覧ください。
というわけで今回は『解決!! 自転車 固着した A-HEAD(アヘッド)フォークを一瞬で取り外す方法!!』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?
ご参考いただいて快適な自転車ライフをお楽しみいただけましたら幸いです。