D 遂に明かされる交換式ディレイラーハンガーの真実!? エンド金具について考える。 その②

D 遂に明かされる交換式ディレイラーハンガーの真実!? エンド金具について考える。 その②

こんにちは、だいごろうです。

今回は自転車のディレイラーハンガー エンド金具について考えていきたいと思います。

それでは『D 遂に明かされる交換式ディレイラーハンガーの真実!? エンド金具について考える。 その①

に引き続き交換式ディレイラーハンガーのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

デメリットその③ 交換式ディレイラーハンガーの在庫は常にショップやメーカーにある訳ではない!!

ディレイラーハンガーが破損してしまうと交換しないと走行できなくなるわけですが、交換用の在庫は常時準備されている訳ではありません。

これは、ディレイラーハンガーのバリエーションの多さに原因があります。

メーカー、年式、車種によってそれぞれ適合するディレイラーハンガーは異なってきます。当然、ショップですべてを在庫することはできません。

もしショップで在庫があったとしてもメインで販売していた極一部の車種の分しか持っていないことがほとんどです。ではメーカーや輸入元はどうかというと、これもまた然り在庫が無いことがしばしばあります。

実際、僕も学生の頃にディレイラーハンガーの在庫切れで苦い経験をしたことがありました。

当時、学生で時間もありマウンテンバイクのスラロームという競技に熱中していたことから毎日、友達とひたすら練習の日々を送っておりました。

そんなある日、練習中に山道を走っていたところ、急にバキッ!!と音がしてリアディレイラーが吹っ飛びました。

びっくりしてよく見てみると、リアディレイラーのプーリーとプーリーの間に金属製の太い針金が巻き込まれており、巻き込んだ勢いでディレイラーハンガーが折れてしまっておりました。リアディレイラー自体も変形し、走行不可能な状態となっておりました。

泣く泣く自転車を購入したショップに行き、相談してみると、リアディレイラーは在庫が有るけれどもディレイラーハンガーは在庫がなく、メーカー(輸入元)から取り寄せになるとのこと。

さっそく輸入元に電話して在庫確認してくださったのですが、あいにく輸入元にも在庫がなく、次回の入荷の予定は1か月半後になるとのことでした。別段高級なモデルでもなく一般的な台湾製の車種だったのですが在庫はありませんでした。

しかたがないので予約をお願いしたのですが、その時、毎日自転車のことばかり気にしていたマニアック小僧だった僕には一つ不安な点がありました。それは同じ車種でも僕のモデルは最新ではないということでした。

購入してから1年以上が経過し、毎年新型の出るこの業界で僕のと同じ名称のモデルは既にフルモデルチェンジしており。フレーム形状が全く異なっておりました。当然エンド金具の形状も異なっておりました。

気になったのでショップの方にそのことを説明し、最新ではなく古いタイプだから間違わないようにお願いします。とお伝えしました。

それからディレイラーハンガーの到着まで乗れないので、仕方なく別の車種、BMXに乗って別の練習をしておりました。そしてついに1か月半が経過し、ショップから連絡が入り、取りにいったところ、なんと!!届いていたディレイラーハンガーは最新の形状の物だったのです。

僕のは古いタイプ、合いません。再び輸入元に確認してもらったところ、在庫はなく、また1か月半後になるとのこと・・・(ToT)/~~~また乗れない日々が続きその間に開催されたレースにも出られず約3か月間も走行不可能な日々となってしまいました。これはほんとに辛かった・・・

似たようなことは僕がショップで働くようになってからもたびたびあります。大手ブランドの車種の場合はほぼなくなりましたが、それでもタイミングによってはたまに在庫切れはありますし、小さなブランドや輸入元の場合は在庫が数か月入ってこないこともありました。

お客様にそのことをお伝えしたときのガッカリした顔はほんとせつなくなります。現在では緊急用汎用ディレイラーハンガーという商品もありますが、すべての車種に使えるわけでもなく適合できる範囲は限られています。使える場合は純正が届くまで応急処置としては使えます。

Wheels Manufacturing(ホイルマニュファクチャリング) エマージェンシーディレーラーハンガー DROPOUT-G
by カエレバ

自転車をライフワークのように使用されていらっしゃる方、毎日の通勤で使用されていらっしゃる方、ましてや競技で使用されている方の場合はできれば事前に予備のディレイラーハンガーを1個購入されておくことをお勧めいたします。備えあれば憂いなしです。

しかも車種が古くなってきた場合、廃番となり入手できなくなる可能性もあります。大好きな愛車をずっと乗ることができなくなってしまいます。

North Shore Billet(ノースショアビレット) リアディレーラーハンガー TREK/FISHER DH0002
by カエレバ

デメリットその④ ディレイラーハンガーが曲がってしまっているのに気づかず走行してしまったときの悲劇!!

さきほどもお伝えしたとおり、ディレイラーハンガーは曲がりやすくできております。ですので走行中の転倒に限らず、ふとした時に変速機を何かにぶつけてしまった時や、自分の知らない、例えば駐輪している最中に自転車が倒れてしまっていた場合などでも曲がってしまうことがあります。

曲がったまま走行するととんでもない悲劇が待ち受けています。それは・・・

リアディレイラーはスプロケット(後ろのギア)の一番小さいギアから一番大きなギアの位置まで平行に移動することは先ほどお伝えしました。

ではこの一番大きなギアの位置(ローギア)に来ているとき変速機を真後ろから見てみると、変速機自体と後ろ車輪のスポークの隙間がほんの数ミリしか開いていないことがわかります。

もしディレイラーハンガーが曲がっていた場合、この数ミリの隙間はあっという間に無くなり変速機自体がスポークの内側(車輪の内側)に入り込んでしまいます。

実際この現象が起こるのはほぼ大半が走行中です。ディレイラーハンガーが曲がっていることに気づかずそのまま走行しており、坂が来てロー側(軽いギア)に変速していった瞬間!!バキッ!!

変速機自体が回転している車輪に巻き込まれ、その勢いでディレイラーハンガーが破断!!変速機自体も変形、または粉砕し、車輪のスポークも折れ、さらにチェーンまで曲がってしまうという最悪の現象が発生します。

当然走行することもできず、自転車を引きずって近くのショップに持ち込むしかありません。通勤や通学の途中なら遅刻してしまいます。

ですのでフレームや変速機自体を守る目的で曲がりやすい素材でつくられているディレイラーハンガーですが、曲がったまま走行していると悲劇が起きます。まさに諸刃の剣です。

ではどうしたらよいのか?まず、変速機とディレイラーハンガーの正しい状態を確認しておきましょう。とくにトラブルのない新しい状態でしたらほぼ大丈夫かと思いますので、自転車を真後ろから見て変速機自体がまっすぐ正しく装着されている状態を覚えておきます。

変速機についている小さな2個のギア(プーリー)が上下ともに地面に対して垂直になっていれば大丈夫です。

普段、気を付けておいていただきたいのは転倒してしまったときに変速機をぶつけてしまった場合です。変速機をぶつけるとディレイラーハンガーが曲がり先ほどのプーリーの位置が地面と垂直ではなくなってしまってしまいます。

こうなると車輪に巻き込む恐れがありますので、できるだけ軽いギア(ローギア側)は使わずに走行し、早急にショップに持ち込んでください。

また、変速に不調を感じた時にも一旦、自転車から降りて真後ろからみて曲がりが無いか確認してください。さきほどお伝えしたとおり、駐輪中や自分の知らない間に曲がってしまっている場合があります。

また変速機にいつの間にかキズが付いていたという場合も同様に曲がっている可能性がありますので確認するようにしてください。

これらを心がけることで思わぬトラブルを回避できます。

また、いざという時のためにロードサービスに加入しておくのもおすすめです。走行不能に陥った際にとてもとても重宝します。

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このように、交換式ディレイラーハンガーにはメリットとデメリットが複数存在します。しかしながら交換式ディレイラーハンガーの根源的な目的であるフレームの保護というのは大変価値があることも事実です。

フレーム自体が曲がったり破損してしまうことはサイクルライフを楽しむ上でこの上なく最悪の事態だからです。まさに交換式ディレイラーハンガーは諸刃の剣。

ではもっとより良い仕組みはできないものなのでしょうか?

実は解決の糸口になりそうなアイデアの製品が過去にありました。それはシマノの初代SAINT(セイント)というグレードです。

この商品はリアディレイラー自体をフレームに固定するのではなく、車輪の中心のハブを貫通するアクスルシャフトに固定するという、かつてない新しい発想による製品でした。

太く強靭なシャフトに固定することでリアディレイラー自体の確実な固定を可能にし、さらに転倒による位置ずれを皆無にし、何よりメーカーの設計上の理想的な位置にリアディレイラーを配置することが可能となり変速性能にもバラつきがありませんでした。

これは一般的なリアディレイラーハンガーに変速機を固定するとリアディレイラーハンガーの形状や寸法が車種ごとにマチマチなため変速機メーカーの理想とする変速機の位置からズレてしまっている場合があるからです。

シマノのセイントグレードの下位グレードであるHONE(ホーン)グレードでも同様の製品がありました。僕はこれらの商品の発表を見た時に自転車の未来が見えたような気がしました。

残念ながら専用ハブが必要だったことや他グレードとの組み合わせの問題などから現在はこの仕組みは消えてしまいましたが、僕としては現状考えうる仕組みの中で最も優れた製品であったと思います。

出来ればさらに発展させて、シャドーシステムと組み合わせてこれらの製品を復活させてほしいと思います。

というわけで今回は『D 遂に明かされる交換式ディレイラーハンガーの真実!? エンド金具について考える。 その②』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?

♦ まとめ ♦

交換式ディレイラーハンガーは常に在庫があるわけではない。

ディレイラーハンガーが曲がってしまっていることに気づかずに走行していると、思わぬ大トラブルに見舞われる原因となる。

走行前の確認や走行中に違和感を感じた時にきちんとチェックを行うことでトラブルは回避できる。

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