How To~ 自転車 問題解決大全
こんにちは、だいごろうです。
このコーナーでは普段、皆様が自転車に乗っていて疑問に思うことや、知りたいこと、お悩みなどについて、僕の知っている知識と経験を利用していただくことで解決のヒントになりそうな内容をまとめてみました。
記念すべき第一回目の内容は『解決!! 自転車 ブレーキ 効かない 効きを良くしたい!!』です。
自転車のブレーキが効きにくい、もしくは効きが弱い、もっと軽い力でブレーキをかけれたらいいのに、そう感じたことってありませんか?
今回はこの問題で簡単にできる対策方法をまとめてみました。
この記事はテキスト版のほかに、音声で記事を読み上げる音声版もご用意しております。音声でお聞きになりたい方は下記をご再生ください。(音が出ます)
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自転車のブレーキが効きにくい、もしくは効きが弱い、ほとんどの方が多かれ少なかれそう感じているのではないかと思います。現状で満足されている方の場合にはそのままで特に問題ありませんが、もしかしたらもっと良くなる可能性もございます。そういった方はお時間がおありでしたらお読みください。
まず、ブレーキという装置自体にはまだまだ改善する余地がたくさんあります。例えば自動車を例に挙げてみると、ここ数年で目覚ましい進歩を遂げております。ABS(アンチロックブレーキシステム)もそうですし、自動衝突回避システムもそうです。
日に日に技術が進歩し、今では人間がブレーキを操作せずとも車が勝手に操作して車を止める段階まできています。もう少しで完全に自動車を人が操作しなくてもよい時代がくるかもしれません。
ですが、その時代が来ても、恐らくブレーキはまだまだ技術を向上させていくと思われます。なぜなら安全に関わる機能だからです。100%事故の起きない時代がくるまで開発に終わりはありません。
それに比べて自転車のブレーキはそれこそまだまだ改善の余地はたくさんあります。現状では完全に人が操作しておりますし、ABSもありません。ですのですぐにタイヤがスリップしたりします。
自動車に比べて圧倒的に進歩が遅れています。だからこそ、よりコントロールしやすく、より効きの良いブレーキが必要な訳です。
ブレーキの部品をもっとグレードの良いものに交換すればいいのではないか、とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、確かにそれも一つの手段です。
ですが、グレードの良いものに交換したところで必ずしも良くなるとは限りません。むしろ悪くなる可能性もあります。
なぜならブレーキは正しい取り付けと調整が必要だからです。どんなに高級なブレーキでも正しい取り付けとベストな調整ができてこそ本来の性能を発揮できるのです。
ですので現在あなたがご使用になっているブレーキももう一度正しい取り付けと調整を見直すことでより効きが良くなる可能性がございます。今回はそのノウハウをお伝え致します。
『ブレーキの効きを良くする方法その①』
ブレーキの摩擦面を掃除する。これが一番簡単にできる方法です。
自転車のブレーキはブレーキシューという部品を車輪に押し当て、その摩擦によって制動力を生み出します。ですので当然ながら摩擦面の摩擦係数を上げてやることでより高い制動力が生み出せます。
実際には普段の走行で必ず車輪のリムやブレーキシューにも汚れが付いたり油分が付いたりして制動力が落ちてきます。ですのでこの両方を掃除します。
リムを掃除する場合、中性洗剤、もしくは市販のブレーキクリーナーを使用します。ウエス(無ければキッチンペーパーでもよい)などに中性洗剤等を塗りつけリムをふき取ります。
必ず最後は洗い流してください。ブレーキシュー自体の表面(リムとの接触面)をふき取るのも非常に効果的です。
下記のクリーナーが一般的に人気の商品です。容量も多いので様々な掃除に活用できます。
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パーツクリーナー使用時の注意点として、多くのクリーナーはゴムや塗装を傷めてしまう特性があります。ですのでタイヤやフレーム等には付着しないように注意して使用する必要があります。
ゴムや塗装を傷めないクリーナーも存在します。『RESPO オールマイティ 洗浄スプレー RS-P42A 420ml』はゴム・樹脂・シール・パッキン・塗装面を劣化させない洗浄剤で、サスペンションフォーク・ブレーキシステムのオーバーホール等、自転車のあらゆる箇所の洗浄に最適です。
RESPO レスポ ALMIGHTY SPRAY RS-P42A 420ml | ||||
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また、ブレーキシューの当たり面であるリム表面には使用に伴ってキズや強固な汚れが付着してデコボコとなってきます。定期的にこれを除去することによりより効果的にブレーキが効くようにできます。
下記の専用用具がおすすめです。
ホーザン K-140/K-141/K-142 ラバー砥石【HOZAN】 | ||||
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さらに専用のホルダーを使用することで作業を効率アップできます。
ホーザン(HOZAN) ラバー砥石ホルダー K-145 | ||||
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『ブレーキの効きを良くする方法その②』
ブレーキワイヤーに油をさす。
自転車のブレーキは人がレバーを握りその力をワイヤーがブレーキ本体に伝えることで制動力を生み出します。ですので力の橋渡しであるワイヤーの動きが悪いと力が削減されてしまいブレーキの効きが弱くなります。ワイヤーの動きは『軽い力でブレーキをかけれたら』にも直結してきます。
ワイヤーに油をさす方法ですが、一番、理想的な方法としては、一度ブレーキワイヤーの内側のワイヤー(インナーワイヤー)を自転車から抜き取り、外側のワイヤー(アウターワイヤー)の中に油を射すことです。
僕はこの時の油の量が操作の軽さに影響するのと後々の効果の保たれ具合に影響しますのでたっぷりと(ワイヤーの反対側からボタボタと油が流れ出る状態になるまで)射しております。
ただ一度ワイヤーを抜き取るとなると、そのあとのワイヤー調整をもう一度行う必要があり面倒かもしれません。ですのでスポーツ車の場合、ワイヤーの切れ目から油を挿入します。
Vブレーキの場合は車輪を取り外す際に行う作業である、リードパイプの取り外しを行います。リードパイプ部分を引っ張りブレーキ本体からリードパイプを取り外します。
ロードのキャリパーブレーキの場合はリリースレバーを解除します。
ママチャリの場合はブレーキキャリパーを手で掴み幅を狭めることでブレーキレバー側にワイヤーの遊びが出来ますので、ワイヤーを引っ張ることでブレーキレバーからワイヤーを取り外すことができます。
こうすることでアウターワイヤーの張り具合が弱くなり簡単にワイヤー受けからアウターケーブルを取り外すことができます。
こうしてフレームから一旦外れたワイヤーのアウターとインナーの間にスプレー缶のノズルを差し込み油を注入します。あとは元通りにワイヤーをもどしていけば大丈夫です。特に調整は必要ありません。
ワイヤーの注油の方法を動画にしてみました。ブレーキワイヤーと変速ワイヤーの両方を解説しております。よろしければご覧ください。
ちなみに、使用するオイルで一番おすすめなのはブリヂストンの『モリブデン入りサイクルフィニッシュ CF-420』という製品です。このオイルは僕が実際に自転車を整備する時に欠かさず使用しているオイルです。
BRIDGESTONE(ブリヂストン) モリブデン入りサイクルフイニッシュ CF-420 A803100
特徴はオイル自体がサラサラと比較的ベタつかず、ワイヤーケーブルに射した時にもワイヤーに汚れが付着しにくいです。
他の製品も試してみましたが、どうしても自転車が走行するにつれ、アスファルトのほこりなどの汚れの付着からワイヤー自体が黒く汚れてきて、それが少しずつワイヤーの抵抗になってきます。また見た目的にも黒く汚れてしまうのでよくありません。
また自転車整備以外の用途にも使えますのでご家庭に一本あると何かと便利かと思います。そして何より容量が420mlと多めなのでためらわず安心してワイヤーにたっぷりと射すことができます。おすすめです。
関連記事 ⇒ B BRAKE 自転車のブレーキについて考える ②
『ブレーキの効きを良くする方法その③』
ブレーキシューの当り面の位置を調整する。
これは私の経験上よく見かけることですが、最初に組み立てた組み方が良くなかったがためにブレーキシューの当り面がきちんとリムに対して平行に当たっていない場合があります。
とくに量販店や安売り店、技術の未熟なショップ等ではブレーキの調整にかける時間や手間を省いているためによくある現象です。
きっちりとリムとブレーキシューが面と面で接していなければ最大限の摩擦を得ることはできません。ブレーキシューがズレていたのでは根本的にブレーキの効きは弱くなってしまいます。
他にブレーキの効き具合を良くする方法としてブレーキキャリパーからのシューの出しろの調整も効果的ですが、この件に関してはより専門性が高いお話になりますのでそれぞれのブレーキタイプの項目の時にお話ししたいと思います。(後日アップ予定です)
関連記事⇒C カンチレバーブレーキ(cantilever brake) カンチブレーキについて考える。その② メリットとデメリット 調整について
ディスクブレーキの場合もそれそれの項目にてお話したいと思います。
というわけで今回は『解決!! 自転車 ブレーキ 効かない 効きを良くしたい!!』についてお話いたしましたがいかがでしたでしょうか?
♦ まとめ ♦
①リムとブレーキシューを掃除する。
②ブレーキワイヤーに油をさす。
③ブレーキシューの当り面の角度を調整する。
関連記事 ⇒ B BRAKE 自転車のブレーキについて考える ①
⇒ ボトムブラケット(BB)の交換 取り付け方法(装着)①四角軸 基本知識編